「記憶を別の個体に移植すること」が可能であるとアメフラシを使った実験で示される|生き物アプリのダウンロード・再生

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「記憶を別の個体に移植すること」が可能であるとアメフラシを使った実験で示される-HotApp4Game


マンガや映画、小説などフィクションに出て来そうな「記憶を別の個体に移植する」という実験に、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で生物学の教授を務めるデイヴィッド・グランツマン氏らが成功しました。グランツマン氏らはアメフラシを使った実験で、個体から別の個体へ、記憶を移すことに成功したとのことです。

RNA from Trained Aplysia Can Induce an Epigenetic Engram for Long-Term Sensitization in Untrained Aplysia | eNeuro
http://www.eneuro.org/content/early/2018/05/14/ENEURO.0038-18.2018

Scientists Transferred Memories From One Snail to Another. Someday, Humans Could, Too.
https://futurism.com/memory-snail-human-brain/

Scientists Sucked A Memory Out of a Snail and Stuck it in Another Snail
https://www.livescience.com/62559-snail-memory-rna-transfer.html

グランツマン氏らの研究チームは、細胞のDNAに基づいて形成されるリボ核酸(RNA)を別の個体に移植することで、記憶の移植が可能であることを実験で示しました。研究チームはジャンボアメフラシを複数体用意し、「刺激を与えるグループ」と「刺激を与えないグループ」に分けた後、刺激を与えるグループのアメフラシの尾に定期的に刺激を与えるようにしました。このグループのアメフラシは当初、一度の刺激で数秒間程度しか防御姿勢を取らなかったようですが、刺激を与え続けた結果、一度刺激を与えただけで約50秒間にもわたって防御姿勢を取り続けるようになったと報告されています。

次に研究チームは、防御姿勢を取るようになったアメフラシからRNAを採取。そして、刺激を与えないグループのアメフラシの首にRNAを注入しました。すると、RNAが注入されたアメフラシは、これまで一度も刺激を受けたことがないにもかかわらず、刺激が与えられただけで40秒間防御姿勢を取ることが確認されており、RNAの移植により記憶が移植されるということが実験によって示されました。

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これまで多くの研究者が、「長期記憶は神経細胞間のシナプスに保存される」と考えており、グランツマン氏の研究に否定的な見方をしている研究者もいます。しかし、グランツマン氏は「もし記憶がシナプスに保存されているのであれば、私たちの実験がうまくいくことはない」と語っており、この実験結果こそが答えであると主張しています。

研究チームは「この研究が初期段階のアルツハイマー病患者の記憶のいくつかを取り戻すための治療や心的外傷後ストレス障害の新たな治療法につながる可能性がある」としており、将来的に人の治療に応用できる可能性を示唆しています。

しかし、本研究で示された内容は、あくまでもアメフラシの記憶の移植ができるという事実が示されただけです。そこで、グランツマン氏は次のステップとして、「マウスのように複雑な記憶を持つ動物でも、RNAを移植することで記憶の移植が可能になるかどうかを実験する予定です」と述べています。

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