「日本のゲームが持つ問題点」や「開発における日本とアメリカの明確な違い」を最前線にいる当事者がハッキリと語る|ゲームアプリのダウンロード・再生

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「日本のゲームが持つ問題点」や「開発における日本とアメリカの明確な違い」を最前線にいる当事者がハッキリと語る-HotApp4Game


日本のゲームを愛するが故に「日本の有名なゲームクリエイターが最新のゲームをやっているとは到底思えない」などと「日本のゲームが持つ問題点」について歯に衣着せぬ意見をバシバシ飛ばしまくる講演「僕の海外ゲーム開発ストーリー++ ~日米両方でAAAゲーム開発をして分かったこと~」が日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス2011(CEDEC2011)」で行われました。

講師は、Microsoftの343 Industriesでディレクターを務めたライアン・ペイトンさん。2003年に来日し、小島プロダクションにて「メタルギアソリッド4」などの人気作に関わった後、故郷のシアトルに戻ってからMicrosoftに入社して「HALO 4」を含むHaloシリーズのクリエイティブ面のディレクションを担当した人物です。

講演は自身の半生から始まり、「ゲーム開発におけるアメリカと日本の明確な違い」、「最近のゲーム業界事情」、「日本のゲームが持つ問題点」、「新世代のクリエイターたちが作りだす明るい未来」と、日米両国で最先端のゲーム開発に携わった人物ならではの新鮮な意見が次々と飛び出す内容となりました。

海外トラック | CEDEC 2011 | Computer Entertaintment Developers Conference

◆はじめに

こんにちは。なるべく生き生きした感じで話を進めていきたいと思いますので、もし私の話が違うと思ったら「違います!」と言ったり、面白いなと思ったら、どうぞ声を上げて笑ってください。楽しい感じで進めたいと思います。

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私はライアンと申します。また日本に来られてとても嬉しいです。出張ベースで来たことはあるんですが、ここ3年間はアメリカのシアトルにいました。故郷に帰っていた間は素晴らしかったんですが、でもやっぱり日本に来る時はうれしいものです。また、日本に来たことでいろいろと気づいたことがあります。

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まず一つは、ドルがすごく安いということ。スターバックスのコーヒーが8ドル(約620円)もするのかと思って計算してしまいました。味は日本の方がちょっと良いような気がするんですけれども、8ドルも払わなくてはいけないのかと。

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以前は日本の人と話をするときにアイドルの名前を2、3人覚えていたんですが、今は48人も覚えなければ駄目だということで、本当に大変だなと思っています。

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あともう一つ、アメリカで日本のゲームを買う時には今でも苦労することがあるんですが、逆にアメリカの「HALO:Reach」を日本で発売日に買おうとして渋谷のTSUTAYAに行ったらやっぱり商品展開がすごかった。

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この人、「HALO:Reach」を渋谷で買おうとしてた人です。話はしなかったんですが、握手をしようかなと思いました。

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さて、今日の話は3つです。さっきの話だけではなく、もうちょっと日本に来て気づいたことがありますので、それをお話したい。まず「アメリカでいろいろと学習したこと」。3年間アメリカでいろいろとゲームを作りましたので、そこで気づいたことをご紹介したいと思います。もう一つはイデオロギー的というか、「目覚め」があったので、それについても話をするつもりです。私の人生の中で良いこともあったんですが悪いこともありました。しかし、それによって気づいた「目覚め」もあったので、これも紹介したいと思います。ということで、今から「アメリカでのゲーム開発」について1時間話します。

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◆ライアンさんのこれまで

ここ12か月の間は、私の人生の中で最も暗い1年間だったと思います。多分、この1年で出たお葬式の数は、それまでの人生で出た数を全部合わせたよりも多かったはずです。家族や友人で亡くなった方もいますし、アメリカに帰った時には日本で作った親友から離れることになったので、故郷のアメリカに帰っても逆にアウトサイダーになったような気がしました。本当に鬱みたいな状態になってしまい、それに追い打ちを掛けるかのように東日本大震災が起きて……。Microsoftの仕事もあまりうまくいっていなかったし、人生もうまくいっていないという状況でした。ゲーム業界の中で、「ゲームクリエイターとしての責任」なんてことを考えるのは僕だけなんじゃないか、という気持ちを持っていました。皆さんが期待していたような話と全然違うかもしれませんが、とにかくそういう風な気持ちを持っていたと。

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本当にひどい冬が終わってから本を読んだり、エクササイズをしたり、それから友人、たとえばこの人は戸島壮太郎さんという「Halo」の音響ディレクターなんですが、この方と話をしてとても心が軽くなりました。私の「ゲームクリエイターとしての責任」の話をしたら、「そんなにおかしくないよ、そのまま考えていていいよ」と言われて心が軽くなったんです。

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「ゲームクリエイターとしての責任」という考えがどんなものかというと、ゲームはどんどん大きくなっている業界で、流通チャンネルも開いてきているから売りやすくなっていると。世界も小さくなってきているから、いろんなことが出来るはずだと。世界のさまざまな人に多種多様なメッセージを伝えることができるはずだと考えていたんです。

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モバイル機器が売られるようになったことで、どこでも簡単にゲームができるようになりました。それは仕事をする環境としては素晴らしいことだと思います。そして将来、ゲームがダウンロードするものになったときにどうなるのか。こういう風なゲームになるのでしょうか。どれも同じような感じですよね。ほとんど馬鹿馬鹿しいくらいに似ております。

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これって「近代兵器のゲームが1番でしょ」みたいな感じになっているわけですが、私たちは単に暇つぶしになるものを作ろうとしているのか。私たちはどんなものを作ろうとしているのでしょうか。個人的には、今は素晴らしいチャンスがあるんだからそれをうまく生かすべきだと思います。

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ごめんなさい、皆さんは何の話をしているのかと思っているかもしれません。私たちは、もっと素晴らしいゲームを作りたいと思っています。私がもともと、どうして日本に来たのかということを簡単に説明したいと思います。

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運命の日は80年代中頃です。朝の5時に父が私へ「起きろ」と言いました。当時の私は5、6歳だったと思います。

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父は後になってから「あんなことしなければよかった」と言っていましたが、これをくれたんです。

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本当に「こんなにカッコイイものはない」と思い、毎日プレイしました。素晴らしいグラフィックです。

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「Indiana Jones」。いま見るとひどいでしょう。

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父は「こんなものあげなければ良かった」と思ったようで、数年後には両親が「もうビデオゲームはやめなさい。外で遊びなさい」と言うようになりました。

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それで、こんな感じの自転車をくれたんですけれど、自転車をもらったことによって今度は友達の家に行ってゲームをするようになりました。当時は夕方になる前に帰らなければいけないというルールがありましたが、夕方を2時間くらい越えてもゲームをし続けてしまったと。むちゃくちゃに怒られました。もう友達の家に行ってはいけないし、自転車に乗ってもいけないと。

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ちょうど誕生日が近づいていたので、これをプレゼントしてくれるようにお願いしました。「やった!」これで家を出ることはなくなります。

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大きくなって新しい家に引っ越してから、私と兄弟には引っ越したばかりで友達がいないということに父が気付いてこれをくれました。すごく面白いゲームばかりです。

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特にこのゲーム、「ファイナルファンタジーVI」だったんですが、すごいですよね。初めて「ゲームって複雑な人間の気持ちを伝えることができるんだな」という風に理解しました。3歳の頃の話です。

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……というのは冗談なんですが、本当にビックリしたんですよ。

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父親は神戸製鋼に勤めていたんですけど、よく広島や京都、東京などへ出張に行っていました。それで、1998年に私を出張のとき一緒に連れて行ってくれました。見てください。

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「スーパーマリオはすごい!」という風に父親も感心してくれて、日本まで連れて行ってくれたんです。本当に楽しく、この時に私は日本語を勉強しようと思いました。

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そして家に帰ってからこのゲーム(メタルギアソリッド)をやり、これで人生がすべて変わってしまいました。映画的な演出もすごいし、ボイスもすごい。さらにはストーリーもすごい。でも1番ビックリしたことは、「このゲームにはメッセージがある」ということに気付いた時です。そのメッセージの内容に私が同意できるかどうかは別として、「ゲームには何かメッセージ性がある」ということに感銘を受けました。

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長い話を短くします。大学を出て日本に来て、「英語を教えながら大都市で暮らしていつかはゲーム業界で働くんだ!」と思い「JETプログラム」という日本語教師として働くプログラムに参加したところ、思いっきり田舎の方へ行かされてしまいました。

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コンビニもない、スーパーもない、めちゃくちゃ田舎です。ここに来た最初の晩は涙が出ました。なんてことをしてしまったんだと。ここで一体何をするんだと思ったんです。

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次の日になって少し元気が出たのでゲーム雑誌を読み、「ファミ通Xbox」、「ジャパンタイムズ」などいろんなところへ手紙を出して仕事を探していることを伝えました。

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いろいろと面白いことがあってからロサンゼルスで行われた「E3 2005」に行き、小島秀夫さんの面接を受けることができたんです。ちょうど「メタルギアソリッド3」が出た頃でした。

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面接の後、彼は私が日本語ができることに気づき、「じゃあコナミへ面接に行けば良いじゃないか」と言ってくれたんです。「すごい!夢がかなった!」と思い、「絶対にコナミで仕事がしたい!」と思いました。

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それでコナミで2、3回面接を受けたところ、メールが来まして、それは「ライアンくん、面接は残念でした」という内容でした。もちろんショックを受けて「私が仕事をするべきなのに何で!?」と思ったもんです。

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わかった、もう日本はだめだ、とにかくアメリカに帰ろう、ということでワシントン州へ帰ってから、そこで仕事をしようと思いました。しかし、アメリカで新車も買い、仕事を探し始めた途端にコナミからまたメールが来たんですね。

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たしか最初のメールが来てから1週間後だと思うんですけど、「すみません間違いでした。仕事はあるので帰ってきてください」と。「何で?」と思いましたが東京ゲームショーも近かったし、とにかく東京に戻って。

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それからは「メタルギアソリッド4」のためにモロッコへ出張していろいろサーチしたりしました。

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